脇のにおいが気になる女性必見!発生のメカニズムと対策を解説

「ふとしたときに、自分の脇のにおいが気になる」「しっかり対策しているつもりなのににおいがする」といった悩みを抱えている女性は少なくありません。特に、電車やエレベーターなどの密閉空間や、人と近い距離で会話をするときに、自分の脇のにおいが気になることもあるでしょう。
この記事では、脇のにおいが発生するメカニズムを詳しく解説した上で、効果的なにおい対策を紹介します。特に、におい対策において大切な役割を果たす脇毛の処理について解説しますので、参考にしてください。
脇のにおいが発生するメカニズム
汗をかくと脇のにおいが発生すると思われがちですが、汗自体はほぼ無臭。では、なぜ脇のにおいは発生するのでしょうか。まずは、脇のにおいが発生するメカニズムについて解説します。
脇のにおいの元は汗と雑菌
汗の成分のほとんどは水分であり、分泌された時点ではほぼ無臭です。しかし、汗には微量の皮脂やたんぱく質、アンモニアなどが含まれており、これを皮膚にいる常在菌が分解することでにおいが発生します。
特に脇は、汗によって湿度が高い状態が続くため、雑菌が繁殖しやすい環境です。汗をかいた後に放置すると、時間の経過とともに雑菌の働きが活発になり、においを発生させてしまいます。
そのため、汗をかいたら早めに拭き取ることが、におい対策の基本といえるでしょう。
汗は全身にかくのに、脇だけがにおう理由
汗は全身にかくのに、なぜ脇だけがにおうのでしょうか。それには、汗の出る仕組みが深く関係しています。
汗は、皮膚の下にある「汗腺」という器官から分泌され、皮膚表面に排出されます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、分布している場所や分泌する汗の成分に違いがあるのです。
エクリン腺は、全身に分布しており、水分が多くサラサラとした汗を分泌します。この汗は99%が水分で、ほぼ無臭です。
一方で、アポクリン腺は脇やデリケートゾーンなど特定の部位に集中しており、分泌される汗は水分が70~80%程度でベタベタしています。この汗は皮脂やたんぱく質を多く含んでおり、皮膚の常在菌によって分解されることで、特有のにおいが発生するのです。
女性の脇のにおい対策
女性の脇のにおい対策には、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、脇のにおいを抑えるための具体的な方法について解説します。
脇毛をきちんと処理する
脇毛の処理は、脇のにおい対策として特に効果的です。脇毛があると、汗や皮脂が毛の周りに溜まりやすくなり、雑菌の繁殖しやすい環境が生まれます。
また、制汗剤やデオドラントを使用する際も、脇毛があると肌にしっかりと密着しづらいため、効果が発揮されにくくなります。脇毛を剃ることで、制汗剤の成分が直接肌に届きやすくなり、におい対策の効果を得やすくなるでしょう。
脇毛処理の方法はこちら:【女性の脇毛処理】きれいな剃り方は?電気シェーバーとカミソリの使い方を解説
制汗剤やデオドラントを適切に使う
脇のにおい対策として、ドラッグストアなどで入手できる制汗剤やデオドラントを活用するのも効果的です。制汗剤とデオドラントの違いは、配合されている成分と配合目的です。
・制汗剤
制汗剤には、クロルヒドロキシアルミニウムや焼きミョウバンといった制汗成分が含まれています。成分の配合目的は、汗が出てくるのを抑えることで汗の量を減らし、においを軽減することです。
・デオドラント
デオドラントには、イソプロピルメチルフェノールやベンザルコニウム塩化物といった殺菌成分が含まれています。これらの成分は、汗自体を抑えるのではなく、出てきた汗を殺菌する目的で配合されています。そのことにより、たんぱく質や皮脂が雑菌によって分解されるのを防ぎ、ニオイを抑えることが可能です。
また、制汗剤とデオドラントは、剤形によっても選べます。ロールオンタイプやスティックタイプは、薬剤が肌にしっかり密着するので、効果が長持ちすることが期待できます。
自分に合った成分や剤形を選び、適切に使いましょう。
汗拭きシートでこまめにケアする
外出先で汗をかいたときには、汗拭きシートを活用するのがおすすめです。汗や皮脂、雑菌を物理的に拭き取ることで、においの発生防止に役立ちます。
汗拭きシートを使った後は、さらに乾いたティッシュで軽く押さえて水分を拭き取ると、脇がムレにくくなります。
また、アルコール成分が含まれているシートは殺菌作用が期待できますが、肌が敏感な人には刺激になることもあるので、アルコール成分を含まないタイプを選ぶといいでしょう。
日頃から汗をかく習慣をつける
汗には、体内の老廃物を体外に排出するという役割もあります。普段から汗をかいていないと、汗に含まれる老廃物の濃度が高くなり、においの原因にもなりかねません。そのため、日頃から適度に汗をかく習慣をつけることが大切です。
軽い運動や半身浴を習慣にすると、汗腺の働きが活発になり、サラサラとした、においの少ない汗をかきやすくなります。また、水分をしっかり摂取することも、汗の質を改善するために役立ちます。
脇毛を処理する方法はどれがおすすめ?
脇のにおい対策として、脇毛の処理は有効な方法のひとつです。しかし、自分に合わない方法で脇毛の処理を行うと、肌に負担をかけたり、かえってにおいの原因を作ってしまったりするかもしれません。ここでは、脇毛の処理方法について、それぞれの特徴や注意点を解説します。
カミソリ:最もおすすめ
脇毛の処理方法の中で最もおすすめなのが、カミソリを使う方法です。正しく処理すれば、肌への負担を最小限に抑えながら、ツルツルの仕上がりを得ることができます。
さらに、脇毛がなくなることで汗や皮脂が毛に溜まりにくく、においの発生を抑えられるでしょう。
カミソリを使った脇毛の処理は、入浴時に行うのがベストです。湯船やシャワーで脇を温めることで、肌や毛がやわらかくなり、剃りやすくなります。
また、必ずシェービング剤を使用し、肌を守りながら処理をすることが大切です。処理後は化粧水やクリームできちんと保湿し、肌を整えるようにしてください。
カミソリを使うコツはこちら:カミソリで体毛処理する場合のコツは?
毛抜き・ワックス:極力避ける
毛抜きやワックスを使った脇毛の処理は、毛穴へのダメージが大きく、炎症を引き起こすリスクが高いため、極力避けるのが無難です。毛を根元から抜くため、次に生えてくるまでの期間が長いというメリットはありますが、毛穴が炎症を起こすとアポクリン腺が刺激されて汗の分泌が増え、においが強くなることがあります。
毛穴が炎症を起こすと、跡が黒ずんだり、毛穴が詰まることで埋没毛が発生したりする可能性もあるため、見た目の観点からもおすすめできません。
除毛クリーム:注意が必要
除毛クリームは、ケラチンの特定の結合を切断することで毛を軟化させ、ヘラなどで物理的に取り除くことで毛を除去する方法です。薬剤を使用するため、肌が敏感な場合は注意が必要です。
使用する場合は、事前に必ずパッチテストを行い、肌に異常が出ないことを確認しましょう。また、処理後はしっかりと洗い流し、保湿ケアを忘れないようにすることが大切です。
除毛クリームを使うコツはこちら:カミソリ以外の体毛処理方法:除毛(脱毛)クリームのメリット・デメリット
脇のにおいは、適切な対策をして防ごう
脇のにおいは、汗そのものではなく、汗に含まれるたんぱく質や皮脂を雑菌が分解することで発生します。しかし、適切な対策をすれば、脇のにおいを抑えることは不可能ではありません。
におい対策としては、脇毛の処理が特に効果的です。脇毛があると汗や皮脂が溜まりやすくなり、雑菌が繁殖しやすくなるため、こまめに処理することが大切です。カミソリを使えば手軽にツルツルの仕上がりを得られ、におい対策にもつながります。処理をする際にはシェービング剤を使い、肌を傷付けないように注意してください。
また、制汗剤の活用や汗拭きシートによるケアのほか、日頃から汗をかく習慣をつけることも大切です。複数の対策を組み合わせることで、脇のにおいをより効果的に抑えることにつながります。
毎日のケアを見直し、正しい方法で脇のにおい対策を実践していきましょう。
教えてくれたのはこの先生!
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川﨑加織先生 皮フ科かわさきかおりクリニック 院長。医学博士、日本皮膚科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。 「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに、一般皮膚科診療だけでなく美容医療、頭髪治療なども行っている。またウェブ・雑誌での連載、サプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。 |
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