オトコのマスク肌荒れは「角質リセット」で防ぐ

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オトコのマスク肌荒れは「角質リセット」で防ぐ

 

 

マスクが必須となっている今年の夏はマスク肌荒れに注意が必要です。

マスクにふれる部分がかゆい、チクチクする、顔の皮膚が赤くなるなど気になって仕事が手につかないという声もあがっています。

 

オトコのマスク肌荒れは女性と少し違い、男性特有の方法で回避することができます。

その方法は、なんとカミソリを使った毎朝のヒゲ剃り。なぜカミソリを使ったヒゲ剃りがオトコのマスク肌荒れに有効なのか、皮膚科医の野村有子先生に伺いました。

 


01
マスク肌荒れの原因は「角質ふやけ」によるバリア機能の低下
 
マスクの中は湿度が高く肌はうるおう、と思われていますが、実はこの湿度の高さが逆に肌荒れの原因を作っています。

野村先生は、気温と湿度が高くなるこの時期、さらに注意が必要と話しています。


「気温の上昇とともに、マスクの中の湿度も上がり、皮膚の表面にある角質層のふやけが起こりやすくなります」 角質のふやけが起こることで、皮膚の本来の機能が低下してしまうそうです。

 

「皮膚には外部刺激から守るためのバリア機能が備わっています。表面のわずか0.02mmの角質層が肌からの水分の蒸散を抑えて、さらに外部刺激から肌を守っています。ところがマスクの蒸れにより、この角質層がふやけて不安定な状態になり角質細胞がはがれやすくなって、本来のバリア機能が低下してしまうのです。」


バリア機能低下が起こると、外からの刺激に弱くなり、肌荒れを起こしてしまうというわけです。さらに、角質ふやけが起こると、マスクをはずした時に、バリア機能低下が加速するそうです。


「マスクをはずすと不安定な角質層がはがれて、肌の水分蒸散が起こってしまいます。特に乾燥肌の人は急速に水分が奪われる傾向があります。マスクをはずした後に、顎や頬、口の周りにかさつきや赤みが生じる場合は注意が必要です。」と野村先生。

 


02
角質ふやけで肌トラブルのもとになる菌に注意


「角質ふやけの状態は、別の肌トラブルにつながる可能性があります。蒸れて不安定になった角質が毛穴につまり、そこで菌が増殖しやすくなるために炎症を起こし、ニキビなどの肌トラブルが悪化していきます。皮脂が多く肌がべたつく場合は特に注意が必要です。このような菌が増えやすい環境は、男性なら、毎朝のヒゲ剃りをカミソリにすることで、不安定になった角質をリセットして予防することができます。」と野村先生。

 


03
バリア機能の低下と、マスク摩擦で悪循環


「肌のバリア機能の低下が起こると、ちょっとしたマスクの着脱で起きる摩擦で刺激を受け、トラブルの原因なります。気温が上昇する今は、マスクを動かしたり、ずらしたりする回数が増え、さらに刺激が生じます。また、何度か使ったマスクの繊維のケバ立ちによるチクチクした刺激、サイズの合わないマスクによる締め付けや、耳にかけるゴムの摩擦も刺激になります。肌のバリア機能が正常に働いていれば、多少のマスクの摩擦には耐えられますが、角質ふやけてバリア機能が低下していると、摩擦刺激に敏感に反応し、かゆみ、ピリピリした痛みや、赤みなどの肌荒れにつながります」と野村先生。


肌が荒れると、さらにバリア機能が低下し、悪循環に陥ってしまうそうです。

 


04
毎朝のカミソリを使った「角質リセット」でマスク肌荒れをケア

 

「男性がマスク肌荒れを防ぐには、カミソリを使って毎朝シェービングを行うことをおすすめします。シェービングを行うことで、古い余分な角質が除去され、角質ふやけを起こりにくくします。また、シェービングは皮膚のターンオーバーを促進し、皮膚のバリア機能が正常に働きます」


そして、シェービング後は保湿のゴールデンタイム。
「カミソリを使ったシェービング後は、肌が水分を吸収しやすい状態になっています。このゴールデンタイムを逃さず保湿することで、マスクによる肌荒れを防ぎます。」と、野村先生。



野村有子先生
野村皮膚科医院院長・医学博士、日本皮膚科学会認定専門医。1986年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。同大学助手、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科勤務を経て、98年、横浜市に野村皮膚科医院を開業。「一人ひとりの患者を大切にし、最高の医療を提供する」という医療理念のもとに、あらゆる皮膚疾患についてていねいに説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細かな指導を行っている。

 


05
ヒゲをキレイに剃らないとマスクの効果が十分に発揮されない!?
ここで、米国で 2017 年に発表された衝撃的なデータを紹介します。

CDC(疾病予防管理センター:Centers for DiseaseControl and Prevention)によると、ヒゲがあるとマスクによる効果が十分に得られないことがわかりました。ヒゲでマスクと肌の間に隙間ができてしまうと、密閉されていない箇所から気体や粒子が通り抜けてしまうそうです。

マスクの下にヒゲがあった場合、きれいに剃った状態と比べて、気体や粒子が漏れ出る量が 20〜1000 倍になるという研究もあるそうです。


[参考 URL] https://blogs.cdc.gov/niosh-science-blog/2017/11/02/noshave/

 


06
スキンケアシェービングの8ステップ
正しい “スキンケアシェービング”を実践すると、古い余分な角質が除去し、シェービング後の保湿効果が高まることがわかっています。

 

  1. 洗顔フォームで顔を洗って肌を清潔にし、余分な皮脂を落とします。ヒゲにたっぷりと水分を与え柔らかく剃りやすい状態に。
  2. 洗顔で柔らかくなったヒゲの上からシェービング剤を塗布することで、ヒゲをさらに柔らかくします。肌表面も滑りやすくなり、刃による摩擦から肌を守リます。
  3. 面積の大きい頬から剃ります。カミソリは頬の外側から当てます。細かくカミソリを動かすのではなく、大きなストロークで上から下へ。さらには外から内へ剃り進めます。一番内側は頬から鼻の脇を通ってそのまま斜めに口周リ上部まで剃り落とします(口周リは残しておく)。
  4. 両頬を剃ったら、次にノド。毛流れに沿って順剃りで。人によって毛流れが違うので、よくチェック。
  5. アゴはフェイスラインに沿って剃ります。頬を剃るときに剃りきれなかったアゴのヒゲを順剃りで。アゴのラインと平行に外から内のステップで剃ります。
  6. 最後に残るのは鼻下と唇下の三角地帯。まずは唇下をやさしく剃リ落とします。何度もカミソリを当てず、すっと1回で剃れるとベスト。
  7. 一番デリケートな鼻の下は最後に。三角に残ったヒゲを、やさしく順剃リで剃リ落とします。軽くカミソリを当てて、すっと1回で。
  8. 洗顔、シェービング後は、余分な皮脂や古い角質が取り除かれ、肌が水分を吸収しやすくなっています。このタイミングがまさにスキンケアのゴールデンタイムです。このゴールデンタイムを逃さず保湿することで、肌がしっかり水分を吸収し理想的な肌へと導くことができます。