皮膚科医が教えるカミソリ負けしない方法と対策

多くの男性は、カミソリ負けに悩んだ経験が一度はあるのではないでしょうか。カミソリ負けは、肌が荒れて痛みやかゆみが出るだけでなく、見た目にも影響を与えます。
この記事では、カミソリ負けが起こる理由のほか、対処法と予防法について解説します。
カミソリ負けとは、カミソリで剃った後に起こる肌のダメージのこと
カミソリ負けとは、カミソリの使用後、肌に炎症や荒れが生じることをいいます。一般的な症状は、肌が赤くなる、ヒリヒリした痛みがある、ブツブツができる、かゆみが出るといったものです。
なお、肌が強く、滅多に肌荒れしない人でも、カミソリ負けを起こさないわけではありません。
シック・ジャパンの調べ(※)では、「顔の肌について悩んでいること」のトップは「カミソリ負けしやすい」(26.5%)でした。これは、「ヒゲが濃い」(25.5%)、「肌のテカリ・脂っぽさ」(25.1%)を上回る結果で、カミソリ負けに悩んでいる人が多いことがわかります。
※2022年8~9月、自社調べ(WEB調査/男性ウェットシェービングユーザー 20~54歳/n=1,600)
カミソリ負けが起こる理由
カミソリ負けは、カミソリによって傷付いた肌が炎症を引き起こすことによって発生します。カミソリ負けが起こる理由は、主に下記の5つです。
肌が乾燥している
カミソリ負けが起こる理由として、肌の乾燥が挙げられます。乾燥した肌はバリア機能(角質層)が低下し、わずかな刺激でも傷付きやすい状態になります。加えて、乾燥した肌にあてたカミソリの刃は、スムーズに動きません。そのため、カミソリの刃と肌の摩擦が増えることによって、より傷付きやすくなり、カミソリ負けにつながるのです。
また、髭剃り後の肌は乾燥しやすくなっているため、保湿ケアを怠らないようにしましょう。
シェービング剤を使用していない
シェービング剤を使用しないで髭を剃ることも、カミソリ負けが起こる理由のひとつです。
シェービング剤は、カミソリの刃の滑りを良くし、肌への負担を軽減する役割があります。シェービング剤を使わずに髭を剃ると、肌に負担がかかり、カミソリ負けしやすくなるため注意が必要です。
切れ味の悪いカミソリを使っている
切れ味の悪いカミソリの使用も、カミソリ負けが起こる理由となります。使い古したカミソリや、湿度の高い風呂場などで保管したカミソリは、さびたり刃こぼれしたりして切れ味が悪化し、肌に引っ掛かりやすくなります。
また、カミソリの保管状態が悪いと細菌が繁殖し、わずかな傷から細菌が入り込みやすくなる悪循環が生じる可能性もあるでしょう。
剃るときに余計な力が入っている
カミソリ負けが起こる理由のひとつとして、カミソリの切れ味が悪いといった理由で、髭を剃るときに余計な力が入っていることも挙げられます。余計な力を入れすぎるとカミソリが強くあたって、肌が傷付いてしまうこともあるでしょう。
また、力を入れたまま何度も同じ場所を剃ることも、カミソリ負けにつながりやすいため注意が必要です。
カミソリ負けしたときの対処法
カミソリ負けしてしまった場合は、早急に適切な対処をすることが大切です。ここでは、カミソリ負けの対処法を4つご紹介します。
肌を冷やす
カミソリ負けしてしまったときは、肌の炎症を落ち着かせるため、冷たいタオルや保冷剤などを使って肌を冷やしましょう。痛みやかゆみがあっても、なるべく手でさわらないことが大切です。
なお、保冷剤を直接肌にあてると凍傷を招くこともあるため、タオルを巻くなどして使用してください。
保湿する
肌を保湿することも、カミソリ負けの対処法として挙げられます。
肌が乾燥しているとカミソリ負けを起こしやすいだけでなく、肌の状態も改善しにくいため、保湿力の高い化粧水や乳液、クリームなどを使って保湿するようにしましょう。
市販薬を使用する
肌を冷やしたり、保湿したりしてもカミソリ負けの症状が改善しない場合の対処法が、市販薬を使用することです。
軽度の赤みやブツブツであれば、効能・効果として「湿疹」「かぶれ」という記載がある皮膚用の市販薬を使用して様子を見ます。
医療機関を受診する
市販薬を数日使ってもカミソリ負けの症状が改善しない場合や症状がひどい場合は、すみやかに医療機関を受診することが大切です。皮膚科で専門的な治療を早期に受けることで、症状の悪化を防ぐことにつながります。
カミソリ負けの予防法
カミソリ負けを予防するには、髭を剃る前の準備と剃った後のケアが大切です。それぞれの段階での予防法について、詳しく見ていきましょう。
剃る前の準備:洗顔後、シェービング剤を塗る
髭を剃る前にはまず、ぬるま湯や水、洗顔料で顔を洗いましょう。洗顔でほこり、汚れ、汗などを落としたら、蒸しタオルで髭に水分を含ませ、やわらかくします。お風呂上がりは肌も髭も温まっているので、髭剃りをするタイミングとしておすすめです。
そして、1本1本の髭がシェービング剤で包まれるように、シェービング剤を顔全体に塗り広げてから剃り始めます。なお、肌が弱い人は、敏感肌向けに設計された低刺激、高保湿のシェービング剤を使用しましょう。
剃った後のケア:化粧水や乳液、クリームなどで保湿をする
髭を剃った後は、肌に残ったシェービング剤を洗い流し、水分をやさしく拭き取ります。その後、化粧水や乳液、クリームなどで保湿してください。
カミソリ負けを予防するには、髭を剃った後のケアを欠かさないことが大切です。
剃る前の準備と剃った後のケアで、カミソリ負けを防ごう
多くの人が悩んでいるカミソリ負けは、カミソリの使用後に、肌に炎症や荒れが生じることです。もし、カミソリ負けしてしまった場合は、早急に肌を冷やしたり保湿したりするといった適切な対処をすることが大切になります。
なお、カミソリ負けを防ぐポイントは、剃る前の準備と剃った後のケアを徹底することです。まず、洗顔を行い、シェービング剤を塗ってから力を入れずに優しく剃ります。髭剃り後には保湿もして、カミソリ負けを予防しましょう。
教えてくれたのはこの先生!
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上嶋祐太先生 新宿駅前うわじま皮膚科 院長。浜松医科大学卒。日本皮膚科学会専門医・指導医、認定産業医。東京大学医学部附属病院、東京警察病院、東京逓信病院の皮膚科にて研鑽を積み、形成外科のキャリアも併せ持つ。赤ら顔・血管腫治療のブイビームレーザーや、ホクロ除去、粉瘤くり抜き法手術で数万例に及ぶ豊富な経験を持つ。保険診療、美容医療、スキンケアから個々に合った最適なカスタマイズ治療を得意とする。 |
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